白雲楼ホテルについての概要


金沢の奥座敷と呼ばれる浅野川の上流の湯涌温泉郷。ここにある高級旅館「白雲楼ホテル」はかつて「東洋一」と称された超豪華温泉旅館で、本館と貴賓館が国登録文化財に指定されています。建物は北欧(スイス風)と南欧(スパニッシュ風)の建築様式を見事に調和させております。

 1932年(昭和7年)に創業し、戦後の一時期、GHQ(連合軍総司令部)のリゾートホテルとして接収され、マッカーサー元帥をはじめとする多くの米軍将兵をお迎えし、接収解除後も昭和天皇・皇后両陛下をはじめ、各皇族方のお泊りを戴き端正な美しさを誇っていました。館内には豪壮華麗な桃山文化の粋を取り入れた三百畳の大広間を始め、宮本三郎画伯の「日本の四季」が描かれた洋食堂や客室端々に至るまで日本的な良さが満ち溢れ、一大美術館の雰囲気をも漂わせていました。

 しかし1998年(平成10年3月)に白雲楼ホテルを経営していた親会社の日○観光が倒産し、白雲楼ホテルも閉館しました。
参照;「白雲楼、起雲閣、日本タイプライター、康楽寺

閉館後は、夜間の悪質な侵入者(ドキュン)などによる破壊行為・ぼや騒ぎ(新聞沙汰になったほどです)等で荒廃が進み、建物の維持管理が問題となっています。

2005年、この物件は地元の湯涌温泉観光事業協同組合が取得し管理しています。
2005年秋には金沢市議会、金沢市文化財保護審議会の視察があり、荒廃によって文化財としての価値無しと判断されました。
2006年1月、金沢市は寄付を受け入れ、公費で解体することに決まりました。
2006年5月末から7月にかけて解体されました。費用は約1億円といわれています。

金沢市議会総務、都市整備両常任委員会の連合審査会の視察直前の白雲楼ホテル
(右)玉泉湖より望む白雲楼ホテルの全容です。(撮影2005年10月)
(左)正面玄関です。(撮影2005年10月)

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